そんな日が10日ほど続いたある日の朝、ハァハァと苦しそうな息をしていたので、「しんどいですか?」と訊くと「もうええ?」と返された。
私が「よぉ頑張りはりましたな。ありがとう。もう好きなようにしなはれ」と伝えたら、笑ってました。
その晩、2人でお酒を飲んで、翌日、私の腕の中で母を看取ることができたんです。あれは神様からのプレゼントやね。
葬儀は身内だけで行いました。私のファンで付き合いのある僧侶にリモートでお経をあげてもらったんです。「あんた、ところで何宗?」と訊かれたら「テネシー州」と冗談を言ったりして、笑いのある見送りでした。
棺には、友達に頼んで取り寄せておいた母の大好物の蕎麦がきと上海ガニ、それからファンの人が作ってくれた私と息子の人形を入れて。あぁよかったと思うばかりで、一度も泣きませんでしたね。ええ葬式でしたわ。