『屋根の上のヴァイオリン弾き』の楽屋前で(写真提供:市村さん)

舞台はナマモノ

台本を読んでいないときも、やっぱり、ほかのものから何かを得ようとしているかもしれないね。僕が家でよく観るのは、『NHKスペシャル』や『映像の世紀バタフライエフェクト』といったドキュメンタリー番組。

息子たちを呼んで一緒に観ることもあって、世の中を知る勉強になる。Netflixなどの動画配信サービスのドラマや映画、テレビドラマは、もちろん芝居の参考になります。

3月まで放送されていたドラマでハマったのは『ホットスポット』。ゲラゲラ笑いながらも、「いいな、あの間(ま)」と冷静に思ったりして。

その良さが生まれるのは、作家が書いた脚本のおかしさを俳優さんたちがちゃんと演じているからなんだよね。決して過剰に面白くしようとしていない。それは『屋根の上』でも肝に銘じていることなんです。