学校給食の影響も大きい

佐々木 学校給食も日本人の献立観に影響しているのかなと想像します。給食は、毎日メニューは違うし、品数も多くて、栄養も考え尽くされて作られている。それを食べて育った人が、豊富なバリエーションや、品数の多さに見慣れることで、家庭料理にも影響を与えたんじゃないかと思うんですよね。

山口 給食の品数と一般家庭の品数は影響しあっていると思いますね。日本人が定食に愛着が湧いて、家庭でも同じようなものを望んでしまうのも自然かもしれません。たとえば、フランスの給食は家庭と同様、前菜(あるいは乳製品)・メイン・デザートという構成。しかも、ちゃんと順番に食べるそうです。チーズはもちろんフランス産の銘柄チーズ。家庭でもコースで食べるスタイルが残っていたりして、フランス人にとても馴染みのあるスタイルなんだと思います。

佐々木 日本は喫茶店ですら、本当にメニューの選択肢や品数が多いですよね。そういう外食や給食、過去に特別に恵まれた時代の献立観を客観視して、無理のない品数を、新たなスタンダードにしていく必要があるでしょうね。

 

※本稿は、『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

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自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』(著:佐々木典士、山口祐加/ダイヤモンド社)

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