(写真提供:Photo AC)
人生100年時代といわれるなか、「年金だけで暮らせるのだろうか…」と経済的な不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。そのようななか、登録者数11万人超えの人気YouTubeチャンネル『梅子の年金トーク!』を運営している梅子さんは、人には聞けない年金額、年金生活のリアルを、街角の年金受給者にインタビューして発信しています。そこで今回は、『梅子の年金トーク!』を書籍化した著書『聞くのがこわい年金の話 ─ 年金、いくらですか?』より一部を抜粋してお届けします。

もう限界です! イラストレーター79歳男性の懺悔

年齢:79歳
性別:男性
職業:無職
家族:妻と二人暮らし
以前の職業:イラストレーター
自宅:賃貸
年金月額:10万円

仕事はいまはしていないんですけど、若い頃はずっと絵を描く仕事をしていました。コマーシャル関係のイラストレーターです。新聞広告に描くことが多かったですね。昔は、家具の広告なんていうと、写真を載せるよりも、絵で描いたりしたものなんですよ。いまは、ほとんどないですよね。世の流れです。昔あった絵の仕事なんていまは誰も必要としてないですもんね。

生活が苦しくなってきたのでちょっと働かないとならないんですよ。実は明日も面接なんです。年金はもちろん受け取っているんですけど、それだけでは生活が厳しいので働かないとならないんですよ。いままで、足りないぶんは貯金を取り崩してきたんだけど、貯金のほうも厳しくなってきたんでね。体が動く間は少しでも働いて年金の足しになればと思ってるんです。

いろいろやったけど、イラストレーターが長かったですね。最初はデザイン会社に勤めてね。そこは、電通の仕事が多かったから、電通経由の仕事なんてよくやりました。ポスターとかね。それから仲間と自分たちの会社を立ち上げました。そこには3年くらいいたかな。

その後はフリーランスで、ずっとひとりでやってきたの。

それがね、リーマンショックで仕事がなくなってね。これはいかんと思って、急いで会社に勤めました。そのときには、けっこう年齢もいっていたし、絵を描く専門の仕事なんてなかったですよ。就けた仕事は、ホームセンターの警備員とか、交通の誘導員です。60代後半までは、そんな風に仕事を続けていましたね。

フリーのイラストレーターの期間が一番長いから、たくさんもらえる年金ではないんですよ。一カ月に10万円くらい。ずっと働いていた家内が同じくらいの年金をもらってるから、まぁなんとかやってきました。