最も避けるべき 親の孤立
そうはいっても、親としてやれることが限られている……時間がない……どこから手をつけていいか分からない……そういう親御さんも沢山おられると思います。
そういった時は遠慮なく外へ頼りましょう。
親が孤立してしまうと、子どもも引きこもって内側へ内側へ考えて行ってしまうパターンが多くなります。心理カウンセラーや学校の保険医からでもかまいません。また医療機関への相談ももちろん十分あり得る手です。最近では、「引きこもり相談窓口」がネットなどでも多く開設されるようになりました。
人に直接相談するのが苦手であれば、オンラインコミュニケーションがとれる機関を探してもいいでしょう。また通話が厳しいならラインやチャットなどでの相談先もあります。
長期化して、原因が分からないと、追い詰められるのは実は親の方でもあります。育て方をミスったかなと恥ずかしく感じてしまったり、この先どうしようと不安になってしまったり……本当に色々な意味で「いきなり判断を迫られる」ケースもあります。
また高校の退学や留年もそうですし、受験、就職、社会へ出られるかなど不安は尽きないと思います。その他いろいろな、親ならではの子どもの将来への心配事は出てくるでしょう。
ただ親自身が例えば同じような境遇の仲間のコミュニティであるとか、不登校とは全く関係なくてもよいので学校とは関係のないところで子育てをしている人たちのコミュニティに参加すると、「わりとよくあることなんだ」「こんな方法で社会に出ることもあるんだ」などなど……知らない情報が沢山もらえる場合もあります。自分だけで解決しようとせず、むやみに長引かせないためにも「一人で戦わない」「味方を見つける」場所の形成は大切です。
子どももコミュニケーションに不安があったとしても、学校外でコミュニケーションをちゃんと学び、居場所を見つけられている場合があります。ゲームのコミュニティでも、YouTubeでも、あるいは新しい習い事でもかまいません。まずは親がコミュニケーションをとれる場所を作ること――孤立しないことを意識して動いていきましょう。
具体的に、早めに相談をしたい場合は、保護者仲間はもちろん以下のような場所もアクセスしやすく、お勧めできます。なお、その際も「あう」「あわない」はあるので、合わないなと思ったらどんどん次へいってしまいましょう。自分を知るのは自分だけです。
有効な相談先
・スクールカウンセラー
・教育支援センター
・不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口
・東京都ひきこもりサポートネット/地域の引きこもり地域支援センター
・行政の「ひきこもり支援相談窓口」
・児童相談所(18歳未満)
・子ども家庭支援センター
・東京しごとセンター/地域若者サポートステーション(15歳以上 就労支援・キャリア相談ほか)
また、親自身が人に頼るのを「悪くないこと」だとし、実践することで、子どもは自然と「助け合いは大切」「一人で抱え込まなくてもいいんだ」ということを学んでいきます。
無理はせず使えるものは使っていきましょう。
なお、朝目覚めない・お腹が痛いなどの身体の不調が表れるならば、必ず医療機関に向かうようにしましょう。医療機関の選び方などについては前回のうつ病の相談も含めて確認したいと思います。
<参考>
令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究 報告書