エム役ビルキンさんの魅力
――エムのキャスティングについて。エム役ビルキンさんですが、「彼こそエムだな」と思ったエピソードや、キャスティングの切っ掛けがあれば教えて下さい。
実はビルキンは、エムというキャラクターと似ている部分がありました。それは、彼自身が自分のおばあちゃんやご両親と非常に良好な関係を築いていたことです。また彼が年上の人々と接するときの魅力に、私たちは気づかされました。
撮影中、ビルキンはウサーさんをからかうのが本当に好きで(笑)。さまざまな方法でウサーさんをからかっていたんですが、驚くことにウサーさん自身も、ビルキンにからかわれるのが好きだったんです。この二人の間で生まれる独特の化学反応が、この映画に素晴らしい効果をもたらしていると思います。
――ビルキンと言えば、エンディングテーマも彼が歌っていますね。歌詞にも映画の内容が反映されているようでとても素敵ですが、最初から決まっていたのでしょうか。
エンディングテーマは、編集が終わった後に決まりました。実のところ、とても迷いがありました。ビルキンは役者としての側面もありますが、同時にアーティストとしての側面もあります。そんな彼が役のある状態で歌うのはどうかという心配もあったのですが……結果として良かったです。

家の前の路地で、家族を待つおばあちゃん(左)と、それを見つめる孫のエム 映画『おばあちゃんと僕の約束』より