卒業率を改善する3種類のアドバイザー制度
N高の取り組みも参考にしながら、ZEN大学ではクラス・コーチ、アカデミック・アドバイザー、キャリア・アドバイザーという3種類のアドバイザー制度を導入しました。
クラス・コーチは主に学修の進捗管理を担当し、進捗の良くない学生に電話をかけるなどのフォローをします。
アカデミック・アドバイザーは学修のサポートをおこない、学生が将来どういう進路に進みたいかに合わせて、どのような科目を履修すればいいかをアドバイスします。
キャリア・アドバイザーは、学生の希望職種や学生自身のスキルに合わせて就職活動などを支援します。
自分がなにをめざすのか、そのためにはなにを勉強する必要があるのか、こういった理解が進めば進むほど、学習時間や学力、そして卒業率も上がっていくというのはN高でも実証できています。高校よりも実社会との距離が近い大学では、同じことをより本格的に実行していきます。
ここまで手厚く学生一人ひとりをケアしている大学はほとんどないのではないでしょうか? 他の大学には、入学時に簡単なオリエンテーションをしたら、後は放置プレイのところも多いように思います。ZEN大学がめざすオンライン大学は、IT技術を駆使して、むしろ一般の大学よりも、充実したサポート体制でもって、学生が卒業して社会へとはばたいていくことを支援していきたいのです。
※本稿は、『教育ZEN問答-N高をつくった僕らが大学を始める理由』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『教育ZEN問答-N高をつくった僕らが大学を始める理由』(著:川上量生/中央公論新社)
ユーザーたちが「通いたい」と思える学校を創ろう――門外漢だった著者を教育に導いたのは、ニコニコ動画だった!
ビジネス目線だからこそ、教育、そして日本社会の課題が見えてくる!