時間が経つにつれ…

夜になってまた会えば一緒に出かける約束をして、その日も日中は別行動をした。

確かボクは小さな博物館だか、記念館だかに行ったけど憶えていない。近未来みたいな階段があった場所だけ憶えているけどあまり憶えていない。理由は朝の自分の行動が恥ずかしかったから。誰のためにもなってない自分の行動。

せめて「美味しかった」とか「美味しくなかった」とか、その程度の感想も無く、こちらを見てもないのに自意識過剰の架空の目線に向けて急いでるアピールしかしてなかった自分が、時間が経つにつれどんどん恥ずかしくなっていたのだ。

少し年下のCクンは公園に座りゆっくりと美味しそうにパンを食べていた。誰かが弾くギターもCクンの朝食の為のBGM のように聴こえた。パンのかけらを小鳥にあげていたりして、その笑顔は今思い出しても眩し過ぎた。

公園で小鳥とお喋りするなんて、ディズニーの映画みたいだ。

夕方になるぜんぜん前から部屋で待っていたくせに、夜になって帰ってきたCクンに「今帰ってきたところ…」とウソつくのが精一杯だった。Cクンは「やった〜」と嬉しそうに笑顔で肩を組んできてパブに行くことにした。

朝食を一緒に食べたり、日中一緒に出かけたり出かけなかったりして数日経った。

予定を決めてなかったけど、このユースホステルを最後にして翌日帰るつもりだと伝えたらCクンも「明日ロンドンへ向かうつもりだ」と教えてくれた。