イラスト:藤田ヒロコ
新型コロナウイルスの感染予防による外出自粛が長引くにつれ、じわじわ増えていく体重……。食事にプラスするだけで、ダイエット効果を発揮する高野豆腐を試してみてはいかがでしょう? 高野豆腐の魅力を、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆さんに聞いた記事を再掲します。日持ちし、アレンジ次第でさまざまな料理が楽しめる高野豆腐をお試しあれ!(構成=山田真理 イラスト=藤田ヒロコ)

多様なレシピに使えて健康的に痩せられる食材

これまで何度もダイエットに励んだけれどリバウンドの繰り返し、という人は多いでしょう。肥満治療の専門医として、多くの患者さんを診てきた経験から言えるのは、ダイエットは「継続」できることが重要だということ。どんなに優れたダイエット法でも、3日で飽きてしまうような食材だったり、やり方が複雑で生活に取り入れるのが難しかったりすると、効果が出る前にやめてしまうからです。

もう一つ大切なのが、健康との両立。私自身、脳神経外科医だった30年ほど前、激務のストレスを暴飲暴食で晴らす生活を続けた結果、身長163cmで体重88kgまで太ってしまいました。それを1日500キロカロリーという極端な食事制限で一気に減らしたところ、低血糖で足元はふらふら、目の前の物がゆがんでみえるような状態に陥ってしまったのです。

誤ったダイエット法の危険性を身をもって知った私は、自分を実験台に、「どんな食事なら健康に痩せられて、長続きするか」を試行錯誤。その結果たどりついたのが、豆腐を凍結・熟成・乾燥させてつくる日本の伝統食「高野豆腐」でした。

高野豆腐は成分の約半分が植物性のタンパク質。良質なタンパク質は筋肉をつくり、基礎代謝を上げてリバウンドしにくい体づくりに役立ちます。また高野豆腐に含まれる「βコングリシニン」は内臓脂肪を減らす働きがあるといわれ、その結果、余分な脂肪の蓄積を防ぐ「アディポネクチン」が分泌。痩せやすくなるサイクルが生まれます。

そのほかにも、血中の中性脂肪と悪玉コレステロールを抑制する「レジスタントタンパク」が豊富。そのうえ食物繊維による便秘解消、女性には大豆イソフラボンによる更年期障害の症状の軽減も、嬉しい健康効果でしょう。

高野豆腐がダイエット食材として優れているのは、水分で膨らむ食材なので少量で満腹感が得られ、かさ増しに使えば炭水化物などの摂取量を自然に減らせること。しかも糖質は白米の約20分の1ですから、糖質制限にもぴったりです。

また料理を作りながら発見したのは、淡泊な味の高野豆腐は和食以外にも合うこと。洋食、中華、エスニック、デザートまで多様なレシピに使えるため、飽きずに続けることができます。

私は高野豆腐をアレンジして食べ続けることで、61歳の現在も55kgの体重をキープしています。