その後の処遇

結局、1週間近く放浪生活を過ごした後に、疲れ果てて、ようやく実家に帰りました。

さて、問題は、その後の処遇です。

僕としては、こんな事件を引き起こした以上、恥ずかしくて会社に戻れるはずもなく、フェードアウトする形での退社を希望しました。

一方、会社は今回の件は不問に付すと言ってくださり、早い復帰を提案してくれました。

このとき僕は、人間性を失ってでも社会に戻るべきか、人間性を保って何か別の方法をとるべきか迷っていました。

僕の周りには、社会人にはならず、大学院に行った同級生もいたので、あの楽しかったキャンパスライフをもう一度過ごせるのであれば、大学院に行くのもアリだなどと……。

そのとき、僕はこの選択の状況が、かつて読んだある文学のワンシーン、つまり『ゴリオ爺さん』の主人公であるラスティニャックがパリに対して宣戦布告するシーンに似ていると気づいたのです。