愛の連鎖を生み出す力

そう思っていたある日、子どもたちが何やら「親ガチャがどうのこうの……」と話しているyoutube動画を見ながら、コソコソと話し合っていた。

「うちは親ガチャまあまあラッキーじゃね?」

「だよな。ママはたまに怖いけどオタクだからゲームいっぱいやらせてくれるし、パパは陽キャだし。助かったー」

「え、そうなの!? うちがラッキーなの!?」

年2回、海外旅行に行ってるハヤトくんちじゃなくていいの!?

「ていうか……誰がオタクだこら!」
つい反応してしまった手前、恥ずかしくて茶化したが、目頭から涙が溢れそうになるのを我慢するのが大変だった。

……ああ、できるのかもしれない。
子どもたちが私のことを、冗談でも「まあまあラッキー」と言ってくれる。それ以外に欲しい評価はもう他に何もない。

もしかしたら、変えていけるのかもしれない。

きっと私には愛の連鎖を生み出す力がある。そう信じよう。

夫の実家から見える雪景色
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