「すごいなあ」と心から感服した

山では、どんなに隊員に悪口を言われようと、誰かの命を危険にさらすような決断はできません。

不満を漏らす隊員に対して、「あなたの歩き方では、とても時間内に頂上まで行くことはできません」と隊長が言い切ったのを見て、私は「すごいなあ」と心から感服しました。

『人生、山あり“時々”谷あり』(著:田部井淳子/潮出版社)

隊長は常に公平でなければならないし、必要とあれば言いにくいことも言わなければならない。八方美人ではとてもリーダーは務まらない、と思い知らされたのです。

その意味では、アンナプルナでの経験は、私にとって大きな学びの機会となりました。