知らず知らずのうちに歩幅が狭くなっている?

とはいえ、困ったことに生活筋力には余力がある分、日常生活の中ではなかなか衰えを感じにくいという盲点があります。

だからでしょう、多くの人たちは、実際に衰えを実感するまでは「自分は大丈夫だ!」と思ってしまいがちなところがあって、それが一つの大きな問題点ではないかと感じています。

衰えに気づくためには、日常生活では出合わないようなちょっと強い運動をしてみるといいのですが、なかなかそういう機会もありません。

そういう意味では、前述の運動会などがその好例といえるでしょうか。若い頃とは随分と勝手が違うぞ、と。気持ちとは裏腹にからだの動きがそれに追いついていないことで、初めて筋力の衰えに気づく……。

また、いわれて初めて気づくことには、歩くスピードが遅くなっていることもあります。当の本人は普段通りに歩いているつもりが、周りの人から少しずつ遅れをとってしまったり、あるいは若い頃と比べて、同じ距離を歩くのにちょっと時間がかかるようになってしまったりなど、果たして皆さんには心当たりはないでしょうか?

それは一歩一歩の歩みの力がとても弱くなっているということであり、いわゆる脚を踏み出す一歩一歩の推進力(筋力)が落ちたことによって、知らず知らずのうちに歩幅が狭くなっているのではないかととらえることができます。