呼吸循環器系の衰えにも注意
ついうっかり朝寝坊をしてしまって、駅までの道のりを懸命に走ったらきつくなったので今度は呼吸を整えるためにゆっくり歩き、再び走ってはまたゆっくり歩き……を繰り返し、さらに駅の階段を駆け上がって、また駆け下りて、なんとかいつも利用している電車に間に合った、という経験を持つ人はたくさんいると思います。
そして、電車の中では“はーはー””ぜーぜー”しながらしばらく胸のドキドキが止まらない、と。
この“はーはー””ぜーぜー”してしまうのには、2つの要因があると考えられます。一つは、これまでお話しした筋力の低下によるもの。
そしてもう一つは、呼吸循環器系、いわゆる心肺機能の衰えによる持久力の低下です。
若い頃には階段を駆け上がることに対してたいした負荷とは感じなかったものが、筋力の低下に伴って、みずからにかかってくる負荷は、体力が弱まった分だけ相対的に強くなってきます。
すなわち、同じ強度や時間の運動であっても、全身にかかってくる負荷の感じ方は若い頃とは明らかに異なってくるというわけです。