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オランダでは、新型コロナウィルス感染者の累計は2万7419人、死者数は2945人(4月14日時点)にのぼる。政府は「インテリジェント・ロックダウン」を行って、ウィルスを封じ込めようとしているが、民間では「草の根運動」が広がっているようで――

乗車人数が定員を超えたら「下車をお願いします」

オランダでもコロナウィルスの感染者が増え、3月中旬、政府は「全国民外出自粛宣言」を出した。当面は2週間の予定だったが、事態の改善は見られず、感染者数も死亡者数も増加。そこで、政府は、3月末から「インテリジェント・ロックダウン」を行うことを決めた。

最初の自粛要請時点から「完全封鎖」は何度も国会で検討されてきたが、オランダのルッテ首相の答えは「ノー」。そこで編み出されたのが、「条件付きの封鎖」、インテリジェント・ロックダウンだ。

高齢者や持病疾患を抱える人を、感染も悪化もしやすい高リスクグループとみなし、事実上の外出禁止令を出した。このグループ以外の人々は、特定の条件を守れば、行動規制はされない。しかし、その条件を破れば罰金だ。

具体的には、3人以上のグループ行動や仕事の会議の禁止。屋外では人と人の間は1.5メートルの距離をあけること。スーパーなどの店舗では入場者数を制限。娯楽施設はすべて閉鎖し、レストランもテイクアウト以外はNG。つまりすべての人が、外での楽しみを完全に奪われた。

交通機関は定員を設けて運行。電車内での他者との距離を保つために、車両を増やして混雑を避ける。先日のニュースによると、とある駅で乗車人数が定員を超えたので「下車をお願いします」とアナウンスが流れたそうだ。しかし誰も降りなかったため、「下車するまで電車は発車しません」と再度アナウンスが流れると、皆いっせいに下車。結局誰が乗って、誰が見送ったのか気になるところだ!