リップサービスも忘れずに
「お金だけ出して何もしない」とか、「姉のくせにさっさと都会に出て、実家のことは放ったらかし」などと言われるかもしれません。
でもそれは、きょうだい間にあるジェラシーが言わせるセリフ。姉という立場であれば理解できるでしょう。親の介護が必要になり、「近くに妹がいてくれて良かった」と思う気持ちは自分にもあるはず。そう思えば、妹に対して少々のリップサービスはあってもいいでしょう。さんざんグチを聞いた後で、「大変だったら、次の休みはそっちに行こうか?」ぐらいのことは言ってあげてください。妹だっていよいよ心身ともに限界となれば、「お願い」と言うでしょうし、そうでなければ「まだ大丈夫」で終わります。分担を決め直すのはそれからでも遅くありません。
もちろん家族であっても、たましいは別。血縁だからといって介護を担うのは絶対の義務ではありません。親から虐待を受けていたとか、きょうだいに迷惑をかけられていたというような場合では、家族からの卒業もひとつの選択肢ですが、今回はそういうケースとは違います。
老いは誰もが通る道であり、超高齢社会の現代において、介護には助け合いという意味合いもある。ここできょうだい仲が悪くなったり、介護を投げ出したりすれば自分だって後味が悪いはずです。ガス抜きをしつつ、お互いを支え合う気持ちで進めてはいかがでしょう。