自律神経を調整するのも、やっぱり温熱作用
温かいお風呂のすばらしい点をもう1つ挙げるとしたら、それは自律神経のバランスが自然に整うということです。
自律神経は、呼吸や血圧、体温、消化といった生命活動を無意識にコントロールしている神経で、以下の2つがバランスを取っています。
・交感神経…活動モードを担う
・副交感神経…休息モードを担う
日中や緊張時には交感神経が、夜間やリラックス時には副交感神経が優位になるのが理想的なバランスです。
ところが、ストレスや不規則な生活といった、交感神経を優位にする要因が現代社会にはあふれています。
すると、副交感神経への切り替えがうまくいかず、眠れない、疲れが取れない、胃の調子が悪い、気分が落ち込みやすい……、さまざまな不調が出てきます。
一方で、副交感神経が優位になりすぎるのもよくなく、交感神経と副交感神経が状況に応じて切り替えられる状態が大切なのです。
それを助けてくれるのが、温かいお風呂です。
多くの研究では、40℃のお湯に10分ほど全身浸かることで副交感神経の活動が高まり、心拍数が安定するなどのリラックス反応が確認されています。
つまり、体を温めるだけで、交感神経から副交感神経のスイッチが入り、自律神経のバランスが整いやすくなるのです。