マッサージも効果はあるけれど…

では、マッサージはどうでしょう? 

マッサージは気持ちがいいですし、体もホカホカします。ただ、マッサージは皮膚や浅い筋肉への刺激が中心で、温まるのはその周辺です。

一方、入浴は筋肉だけでなく、関節のまわりにある「じん帯」にまで温熱が届きます。

じん帯は、主に「コラーゲン」というたんぱく質でできており、温めることで柔らかくなる性質を持っています。すると、関節が動かしやすくなったり、痛みが軽減したりします。

また、マッサージは一時的なこりや痛みの緩和には有効ですが、効果が局所的で根本的な改善にはつながりにくいのです。一方、入浴は痛みの根本原因に働きかけることができる手段で、それはこんな理由からです。

痛みをくり返すと、私たちの神経は過敏になって、より痛みを感じやすくなります。これは、軽い刺激でも過剰に痛みを感じてしまう状態です。

 

(本書より)

 

実は、入浴を続けることで少しずつこの状態が改善され、痛みの感じ方がおだやかになっていくことが研究結果から考えられます。

こうしてみると、運動よりも、マッサージよりも、入浴のほうが断然よいと思いませんか?

※本稿は『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(アスコム)の一部を再編集したものです。

 

【関連記事】
ズバリ「お風呂に入る人ほど健康寿命が長い」!?温泉療法専門医解説<脳卒中・心筋梗塞・認知症のリスクを減らす世界一簡単な健康法>
自律神経の名医・小林弘幸 充実した暮らしの下地は〈いい睡眠〉から。睡眠の質を高める3大ポイントは…
〈寝る前のスマートフォン〉は、交感神経が高まり続け深い眠りの妨げに。自律神経の名医・小林弘幸流、スマートフォンとの上手な付き合い方

入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』(著:早坂信哉/アスコム)

7万人を超える入浴を医学的に研究してきた、
入浴のスペシャリストが贈る「あなたに最適の入浴法」

あなたが今、健康のためにお金を使っているなら。
それよりも、自宅のお風呂に「この温度」で「この時間」浸かることをお勧めします。