4人部屋と個室どちらがいい?
●一概に「個室がいい」とは言いきれない
「老人ホームでは、4人部屋と個室のどちらがいいですか?」と聞かれることがよくあります。一見シンプルな質問ですが、答えは意外に複雑で、いくつかの重要な視点があります。
まず、多床室(4人部屋)は費用が比較的安いのが特徴です。一方、個室はプライバシーが確保される分、費用が高めです。また、多床室では他の利用者さんの生活音が気になる場合があり、逆に個室は静かに過ごせるのが魅力です。
これらはよく知られた違いですが、実はもうひとつポイントがあります。それが、「職員が部屋を出入りする回数」です。
個室の場合、職員が部屋に訪れるのは基本的にナースコールで呼ばれたときや、特定の用事があるときだけです。利用者さんが職員に直接お願いする機会は限られています。
一方、多床室には4人の利用者さんがいるため、職員が他の利用者さんのケアのために頻繁に部屋を訪れます。
この出入りの頻度の違いが、利用者さんにとって大きな違いを生むことがあります。