昔からこういう詐欺はあった
「40億円騙されるところを助けたんだから、1割の4億円くらいはくれ!」
って、西原は笑うんだけどね。それまでの僕は、
「大きく羽ばたくチャンスだったかもしれないのに、西原に潰された」
と思っていたほど信じちゃっていた。話を持って来た徳洲会の元事務長と名乗った人間は行方不明になっているらしい。西原が、知人で元ヤクザの猫組長に聞いたら、そのJTの土地の詐欺事件と同じ人間・グループだったそう。今でこそ世間は積水ハウスの件で地面師を認知しているだろうけど、僕の事件はもっと昔の話。その頃からこういう詐欺はあったんだね。
※本稿は、『高須の遺言』(講談社)の一部を再編集したものです。
『高須の遺言』(著:高須克弥/講談社)
‘14年にガンを発病してから約11年。
現在、全身ガンで闘病中の高須は、集大成となる作品を綴るために最後の筆を執りました。




