日の本の諸国を<一橋>の血脈で染め上げてこそ

その後、老中の本多忠籌と松平信明を前に、治済は「大奥へもっと金を入れるように」と指示をします。

対して、異国への備えなどで難しいとの旨を告げた二人。

すると治済は「上様のお子こそ日の本を強くする一番の薬ぞ…。日の本の諸国を<一橋>の血脈で染め上げてこそ、謀反のおそれもない心一つの真に安寧の世となるではないか」と持論を展開します。

そのようなことができるのか、と問われると「天は健やかなる体を持つ一橋の血を選ばれた。知に長けた田安でもなく、情に厚い先代の公方様の血筋でもない。これは血脈をもって染め上げよという、天のご意志。案ずるな」と告げた治済。

その言葉に不気味さを覚えた二人は顔を見合わせるのでした。