1963年に建てられたというアトリエ。縦2メートル、横3メートルの巨大ライトテーブルが藤城さんの創作の場。机の上には制作中の作品や資料、下書き、カラーフィルムなどが置かれている。藤城さんの右奥にあるのは、7月に現地でスケッチした美術館入り口の影絵作品
今、僕のアトリエには猫が2匹とフクロウ、ピラルク(世界最大級の淡水魚)がいて、アトリエ裏の母屋にも猫が1匹います。いろいろな動物を描きたいなぁという動機で飼い始めたんです。
前はもっとたくさん動物がいたけれど、だんだん世話をするのが大変になって。犬の散歩もできなくなり、猫が主体になりました。
僕は子どものころから動物が好きだったし、人形劇をやっていたので、動くものに興味がある。蝶々もトンボも蟹も全部好き。でも歳をとるとともに、ただ好きというだけではなくて、動物の存在と人間は繋がっているなと感じるようになった。海にいる魚にしても、空を飛ぶ鳥にしても、人間とともに宇宙の中に生きているわけでしょう。
動物と同じ目線というか、僕も彼らも同じように息を吸って、ものを食べて。そんなふうに感じるね。とくに犬や猫は、人間にくっつくように生きているから、言葉は話さなくても何を言いたいかがわかる。今日はちょっと機嫌が悪いかなぁ、とか。