(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)
現在放送中の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。日本のメディア産業・ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物〈蔦重〉こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描いたドラマも、まもなく完結へ。そこで12月14日の最終回を前に『べらぼう』の脚本を担当された森下佳子さんからお話を伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部 吉岡宏)

脚本で苦労したところは

大変だったのは、とにかく登場人数の数が尋常じゃないことで…。

それが一番きつかったですね。 「もうキャラのストックがないよ!」と周りにも言っていて(笑)。

そこは監督はもちろん、役者さんにもかなりお助けいただきました。皆さんの力で、なんとか識別可能な個性を持つ人間たちを並べられたかな、という感じです。

あとは基本的に『べらぼう』が江戸城と江戸市中の2本立てになっているドラマなので、そのスイッチングが大変でした。二つがちゃんとつながらなければいけない。

こっちはこうなっているのに、でもあちらでは…とならないように合わせるといいますか。それでいて48話分もあるので、文脈を整えるに苦労しました。

個人的にお気に入りの話は、江戸に浅間山の灰が降り注いだ、第二十五回の「灰の雨降る日本橋」でしょうか。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

蔦重をはぐくんだ吉原という街が持っている懐の深さ、日本橋の品格のようなものが垣間見えた気がしていて。それでいて蔦重の持つ良いところが全部出た回になったと感じています。