羽生 柚月さんは子ども時代に将棋を覚えたそうですが、ご自分では指されないのですか?

柚月 もう少し時間に余裕ができたら――と思うのですが。

羽生 将棋は、長い人生の中でいつでも始められて、やめられるのがよいところだと思っていて。子どもの頃にプロに憧れて熱中し、いったんやめたけれども大人になって再開する。大会や配信などで「観る将」をきっかけに、仕事や子育てが一段落なさってから将棋を覚えるのもすごくよいことだと思います。

柚月 誰もがプロを目指すわけでなく、何歳になっても楽しみや運動のために続けられる。将棋は、頭と手を使うから認知症予防にもなりそうです。(笑)

羽生 昔は縁台将棋、今だと公民館などで将棋を楽しむ人がいらっしゃいます。いつも同じメンバーだし、たぶん毎日同じような将棋なんですよね。それでも「今日はどうだった、あの手がこうだった」と雑談するのがいいんじゃないでしょうか。

柚月 あまり身近でないと、堅苦しいとか難しいとか感じがちかもしれません。でも子どもの頃に縁側で祖父から教わったように、気楽な感じでもう一度、将棋を楽しんでみるのもよさそうですね。

羽生 ぜひ多くの方に将棋にふれていただきたいです。今日はたくさん新しい視点をいただけた気がします。

柚月 楽しいお話をいろいろとうかがえて、素敵なひとときでした。ありがとうございました。

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