地獄までのカウントダウン

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週に二~三回の体育という地獄の時間が常に頭から離れず、いつも恐怖に震えていた。明日には体育がある、今日は体育がある、あと五時間後には体育が来てしまう、三時間後にはもう……ああ、一時間後には……! このストレスだけでも相当なものだったと思う。

学校内で笑われるだけならまだしも、小学校低学年の頃、運動会を見に来た祖父母に、走り方がとにかく変、ダンスもへにょへにょしていて全然踊れていない、などと執拗にいじられたことがある。しばらく黙って聞いていたものの耐えきれず泣き出した私を見かねた母が、「そういう子もいるの」と庇ってくれた。

走り方やダンスが奇妙な自覚はなかったし、手を抜いているつもりもなかった。

やる気に満ちていたわけでもないが、義務として真面目にやってはいた。徒競走やリレーはなるべく恥をかきたくない、責められたくないというネガティブなモチベーションがあったのでむしろ全力疾走だった。

自分なりに一生懸命やったことを身近な大人に否定されるというのは、子供の心を深く、深く傷つけるものだと思う。