日本と韓国への熱い思い

――そしてジェイルさんが手掛けた映画音楽からもう一作、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』(2022)の音楽も演奏されることになったそうですね。

2004年の映画『誰も知らない』を観て以来、私は是枝監督の大ファンでして、もちろん全作品を観ていて、『万引き家族』(2018)は何十回観たか分からないほどです。彼が韓国で映画を撮るという話をうかがって、自分から起用してもらえませんか?とラブレターを書きました。韓国には「オタクソンドク(成功したオタク)」という言葉があるんですけど、まさに私のことだと思います。(笑)

是枝監督は繊細な方で、俳優さんたちが座って演技をするリーディングをおこなう際に、私が作った曲を全部持ってきてくれて、流しながらリーディングをしてくれたのが思い出深いです。正直恥ずかしくもあったんですけど、とても嬉しい時間になりました。今回は監督もすごく喜んでくださった「Forgiven」と「To Be A Bird」という2曲を取り上げます。実は曲名をつけてくれたのも是枝監督なんですよ。

――映画音楽以外では、ジェイルさんが2023年に発表した2つのソロアルバム『Listen』と『A Prayer』から2曲ずつ演奏されます。後者のアルバムには韓国の伝統音楽のミュージシャンが参加されていて、今回の日本公演にもゲスト出演されます。

『Listen』は様々な社会問題を抱える私たちは、今後どう歩んでいくべきかを考えている時に、「聴く力」が足りていないんじゃないかという問題意識をもとに作ったアルバムです。先ほども申し上げたように、私は作曲家であると同時に“収集家”であり、一緒に作業をしている人の話を聴くのが私の職業ですから。

『A Prayer』は韓国の「ビナリ」という伝統的な祈りの歌に基づいています。「ビナリ」はお正月や、新しいことをはじめる方にむけて御多幸を願い、邪気を祓うことでお守りとなるような歌なんです。一種のマントラといえるかもしれません。歌とともに演奏される力強い打楽器が特徴的で、そこに東京フィルと私のピアノが加わります。ゲストの御三方はみな素晴らしいのですが、声楽のキム・ユルヒさんは韓国の国家無形文化財「パンソリ春香歌」を保持している国宝級の存在です。

チョン・ジェイルさん
(撮影:Tomoko Hidaki)

――最後に、日本公演にむけたジェイルさんのお気持ちを聴かせてください。

このたび、私にとって韓国以外のアジアで初めて公演できること、しかも最も愛する都市である東京で演奏できることが嬉しくて仕方ありません。しかも幼い頃から親しんできた日本を代表するオーケストラの“東京フィルハーモニー交響楽団”と共演できるのですから、本当に光栄なことです。

チョン・ジェイルという人物をご存じないかもしれませんが、『イカゲーム』などを通じて私の音楽は知っていただけているのではないかと思います。これらの楽曲が東京フィルと出会った時に、どんな魔法のような感情を生み出すのか? ぜひお楽しみいただければ幸いです。そして、これは文化交流でもあります。韓国と日本のアーティストの間に存在する接点をお楽しみいただけたら、これ以上嬉しいことはありません。

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<セットリスト>*セットリストは変更になる可能性もございます

 

<出演者プロフィール>

作曲:チョン・ジェイル/JUNG JAEIL

映画・演劇・オーケストラなど多分野で活躍する韓国の作曲家・音楽監督。映画『オクジャ』(2017年)、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)でポン・ジュノ監督とタッグを組み、繊細でジャンルを超えたスコアが国際的に評価されている。Netflixドラマ『イカゲーム』ではシーズン1〜3の音楽を担当し、エミー賞にノミネート。ハリウッド・ミュージック・イン・メディア・アワード(HMMA)ではTV番組/リミテッドシリーズ部門で最優秀オリジナルスコア賞を受賞し、韓国人初の受賞を果たす。ジャズピアニストとしての経歴を持ち、17歳で初のソロアルバムをリリース。韓国伝統楽器と西洋音楽を融合した独自のスタイルを築きあげている。2024年には彼の叙情的な感性とミニマルなタッチが際立つソロピアノアルバム『Listen』をリリース。2025年の映画『Mickey 17』でも国際的な活躍を遂げ、現代映画音楽において繊細な表現力と多様なスタイルを追求している。

公演概要

チョン・ジェイル/JUNG JAEIL Orchestra Concert

2026年2月21日 (土)17:00開演 (16:00開場) 
会場:東京文化会館 大ホール
作曲:チョン・ジェイル/JUNG JAEIL
指揮:横山奏
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【チケット料金(全席指定・税込)】
S席:¥11,000、A席:¥8,800、B席:¥7,700、C席:¥5,500
【チケット販売先】
キョードー東京 https://tickets.kyodotokyo.com/jungjaeil/
0570-550-799(平日11:00〜18:00 / 土日祝10:00〜18:00)
イープラス https://eplus.jp/jungjaeil
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/jungjaeil
ローソンチケット https://l-tike.com/jungjaeil
※未就学児入場不可 ※お一人様1枚チケットが必要です。
※車いすをご利用のお客様は S席をご購入の上、キョードー東京チケットセンター(0570-550-799 平日11:00-18:00 土日祝10:00-18:00) までご連絡ください。
※ホール内には、エスカレーターやエレベーターはございません。あらかじめご了承ください。
※本公演は映像演出はございません。

【お問い合わせ】
キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00 / 土日祝10:00〜18:00)
主催:キョードー東京  後援:ニッポン放送/TBSラジオ/TOKYO FM/J-WAVE/interfm
宣伝:キョードーメディアス