先週買ったばかりなのにまた同じものを買ってしまった、突然暗証番号が思い出せなくなった……もしかしたら、認知症の一歩手前である「認知症グレーゾーン」のサインかもしれません。今回は、認知症専門医・朝田隆先生が「認知症グレーゾーン」の歩き方を綴った著書『認知症グレーゾーンは分かれ道』より一部引用、再編集してお届けします。
認知症大国・日本
私は「メモリークリニックお茶の水」の院長を務める朝田隆といいます。
40年以上にわたり認知症を専門に研究を重ね、診察、診断、治療にあたってきました。これまでに向き合ってきた認知症の患者さんの数は2万人を超えます。
人生100年時代といわれて久しいのですが、残念ながら日本は寝たきり大国であり、認知症大国であるというのが実状。日本は世界でもっとも高齢者の認知症有病率が高い国なのです。
今から10年前、2015年の1月に厚生労働省が発表した「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」では、認知症を患う高齢者数に関して、団塊の世代が75歳を迎えて後期高齢者になる2025年には700万人を超えるだろうと予測していました。