コミュニケーションで名医を見極める、3つのチェックポイント

それでは、目の前の医師が、良質なコミュニケーション能力を持つ医師かどうか、患者さんはどうやって見極めれば良いでしょうか?

ポイント1
がんの告知時や治療の節目で十分な時間をかけてくれるか?

どんな人でも、命に関わる病気であることを告げられたら、相当なショックを受けます。「バッドニュース(悪い知らせ)」の伝達は、医師にとっては日常の一コマですが、患者にとっては一生にそう何度とない“非常事態”です。バッドニュースを聞かされて、頭の整理も気持ちの整理もできていない状態で治療方針の決定を急かされても、患者は適切な判断ができません。

そのあたりの機微がわかっている良医は、告知そのものに時間をしっかりかけ、治療方針を決定する際にも、患者や周囲の人に考える時間を与えてくれます。

ポイント2
あなたの仕事や生活への配慮があるか?

医師は原則、「病気を治す/コントロールする」ことがゴールです。一方、「手術や放射線治療による後遺症」や「抗がん剤での副作用」がもたらす影響は、一般的には、医師が気にする以上に患者が気にするポイントだと言えるでしょう。

例えば、“手足のしびれ”の副作用が高確率で出てくるような抗がん剤治療は、エビデンス的に推奨されたとしても、ピアニストの患者さんにとってはベストの選択肢ではないでしょう。また、フルタイムの仕事をしている患者さんであれば、来院して点滴が必要な治療より、飲み薬での治療の方が好ましいかもしれません。

こうした、患者の仕事面や生活面での「個々の事情」をしっかり汲み取って、治療選択を一緒に考えてくれるような医師は、良医です。

ポイント3
あなたが「わかる」言葉で話してくれるか?

がん医療には、カタカナやアルファベットの専門用語が、やたらとたくさん出てきます。これらは、患者や家族にとってみれば、最初は「謎の暗号」にしか見えない、聞こえないものです。こうした専門用語を知ってか知らずか、ついついたくさん使ってしまう医師も多いのが実態ですが、「謎の暗号」が一定量を超えると、患者も家族も話の全体を理解することができなくなります。

逆に言えば、あなたがきちんとわかっているかどうか、不安になることや心配なことがないかを確認しつつ、患者や家族にも「わかる」言葉で話を進めてくれる医師は、良医と言えるでしょう。

以上、医師のコミュニケーション力を見極めるためのポイントをお伝えしましたが、これらの情報を事前に把握するのは、かなり難しいです。もちろん、口コミなどからある程度は推測することは可能ですが、大きな病院の医師ともなると、個人レベルでどのような対応をされているかという口コミ情報は、なかなかありません。

「イシュラン」のような情報サイトを使ってもらうとか、同じ病院に通っている他の患者さんから情報収集をするとかができれば、ある程度は見えてくるのですが、実際のところは、患者さん自身で会ってみて判断をする、という形を取らざるを得ないケースが多いのが現状です。

※本稿は、『後悔しないがんの病院と名医の探し方~「有名病院」「ランキング」に頼らず、最善の選択を』(大和書房)の一部を再編集したものです。

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