筋トレによる筋肉の適応

では、この「適応」はどのような仕組みで起こるのでしょうか? 基本的には、筋肉量と筋力は概ね比例関係にあるので、筋肉量が増えることで筋力も高まります。しかし、筋トレを始めて1ヵ月くらいは筋肉量が増えないにもかかわらず、筋力が高まることがあります。これはなぜでしょう?

そもそも私たちは、持っている筋線維の全てを使いこなすことができません。最大限の力を発揮しているつもりでも、筋線維の半分程度しか収縮していないのです。しかし、筋トレを始めると、収縮できる筋線維を増やすことができるようになります。いわば、眠っている筋線維を起こして、働かせることができるようになるのです。

『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』(著:青井渉/中央公論新社)

その後、筋トレを2〜3ヵ月続けていると、次第に筋肉が肥大してきます。トレーニングの重量が増えてくると、既存の筋肉だけでは重力に抗うことができなくなり、肥大させることによって大きな力を生み出そうとするのです。

また、筋トレの効果を引き出すには、適切に食事をして栄養素を摂取すること、そして休養してしっかり回復させることも重要です。反対に、精神的ストレスを抱えていたり睡眠不足のままでは、自律神経のバランスやホルモンの分泌を乱し、筋肉のタンパク質分解を促します。ストレスを貯めずに、質の良い睡眠時間を確保することは筋肉にとっても大事なのです。