筋トレによる筋肥大とマッスルメモリー
筋トレによる筋肥大は若者だけに起きる現象ではありません。中年はもちろん、高齢者であっても筋肥大させることができます。例えば、2019年のオランダの研究では、85歳以上の高齢者であっても、半年間の筋トレによって筋量が9%、筋力が27%増加したことが報告されています。もちろん、高齢になると障害や疾患を持つ方も多くなるため、身体の状況に応じて、安全な重量、正しいフォームで行う必要があります。
筋トレによる筋肥大には個人差があります。遺伝的要因や、食事や睡眠などの生活習慣、これらに加えて過去に筋トレ経験があるかどうかが大きく影響します。
例えば、学生時代に運動をして筋肉をつけてきた人が、社会人になって忙しくなり、トレーニングをしなくなると筋肉は減っていきます。しかし、それから10年、20年経って、久しぶりに筋トレを再開すると、初めて筋トレを行った人よりも、短期間で筋肉を肥大させることができます。
これは、筋肉が過去に筋トレによって受けた適応を記憶していて、早急に肥大して強くしようとしているためです。このような筋肉の記憶を「マッスルメモリー」とよびます。この現象は、ボディビルダーをはじめ筋トレ愛好家の間では以前から知られていましたが、最近になって、筋細胞内の遺伝子にメチル化という印がつき、いわゆるエピジェネティックが影響するためとわかってきました。