近年、健康志向の高まりとともに、「筋肉」への注目が集まっています。そんななか、「筋肉は、医学では糖や脂肪を燃焼する『代謝臓器』と位置づけられています」と語るのは、京都府立大学大学院生命環境科学研究科准教授の青井渉先生です。そこで今回は、青井先生の著書『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』から一部を抜粋し、ご紹介します。
運動はがんの予防に効く
医学の進歩とともに、がんの治療法も発展してきました。
がんの治療は、3大治療法、つまり、手術、化学療法、放射線療法が主流です。また、免疫療法のような新しい治療法も少しずつ普及してきました。しかし、このような治療をもってしても、誰もが完治するのは容易でないのが現状です。それを考えると、がんは前もって予防することが重要です。
日常の生活習慣が、がんの罹患リスクに大きく影響しますが、中でも運動習慣は、そのリスクを確実に下げることが多くの研究で示されています。
世界がん研究基金と米国がん研究協会が、世界中の科学論文をもとにまとめた報告書によると、運動習慣が予防効果を発揮するがん部位として、大腸がんや乳がん、子宮内膜がんをあげています。また、食道がん、肺がん、肝臓がんもリスクを低下させる可能性があるとしています。