運動は認知症の予防に効く

加齢によって脳の働きは衰え、高齢になるともの忘れしやすくなりますが、運動は脳の働きにも良い影響をもたらします。中でも、認知症を予防したり改善したりすることは、高齢社会を迎えたわが国においては特に重要です。

認知症とは、後天的な要因により脳の神経細胞が減少したり衰えたりすることで、海馬という記憶を司る部位が萎縮し、認知機能が低下する状態を指します。要介護の主な原因の一つとなるため、高齢社会における課題となっています。

(写真提供:Photo AC)

認知症の前段階を軽度認知障害といい、日本で400万人以上います。軽度認知障害であれば日常生活にはそれほど支障はなく、いわば自然な老化ともいえるでしょう。しかし、軽度認知障害のうち、年に5~10%の方が、認知症に移行するといわれます。

認知症は、中枢神経変性疾患による認知症と、脳血管障害による認知症に大きく分類されます。前者のうち代表的なものがアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)で、不要なタンパク質が脳内に蓄積したり、ある種のヘルペスウイルスに感染することが引き金となるといわれています。これらが脳の神経細胞を次第に障害し、過去のことをどんどん忘れさせてしまいます。

また後者は、脳へ血液を供給する血管が壊死したり詰まったり、破れて出血することによって起こります。こうなると、栄養素や酸素をはじめとする血液成分が十分にいきわたらず、神経の働きが悪くなり、認知機能の低下につながります。