日常的な運動が予防につながる

認知症は、進行すると1時間前に食事をしたことすら忘れてしまうこともあり、さらには外を歩き回ったり、幻覚をみたり、行動や心理に影響をきたすこともあります。しかし、日常的に運動をすることにより、アルツハイマー型認知症や血管性認知症の発症や重症化を予防することが報告されています。これは、脳の血流を良くして酸素や栄養素を供給することや、神経細胞の数を増やして海馬の萎縮を抑えることが関係するといわれています。

アメリカの研究では、持久性運動を1年間続けると海馬の大きさが2%増加することが報告されています。九州大学のグループが、福岡県久山町で長年行っている調査では、運動習慣によりアルツハイマー型認知症の発症リスクが約38〜45%低減したことも示されています。この運動による効果は、食事による効果よりもエビデンスレベルが高いとされています。

運動効果のメカニズムはいろいろありますが、アルツハイマー型認知症の原因となる神経細胞の障害を防ぐことが大きな要因といわれています。

※本稿は、『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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