やりたいと思ったことは全部できました
本当なら、4月13日からイタリア留学が始まるはずでした。だけど今、イタリアのみならず世界中で新型コロナウイルスの感染が広がり、大変な状況になっています。そこに行くのは危険だという以前に、今、私みたいな留学生が訪れることでイタリアの人の手を煩わせることは絶対にしたくなかった。だから、しばらくは日本でできることをやっていこう、と。
何でイタリアかって? 私、2018年4月1日から「10年日記」をつけ始めたんですけど、その翌日からもともと興味のあったローマ、フィレンツェ、ミラノの3ヵ所をプライベートで回ったんです。それはそれは楽しくて、イタリアに一目惚れ。中でもローマがすごく気に入っちゃって、いつか絶対にローマに住むぞって決めて帰って来ました。
「10年日記」を読み返すと、一昨年のページにはイタリアへの強い憧れが書かれているのに、去年の同時期を見ると、心の揺らぎや悩み始めていることがよくわかる。私の場合は、この日記も自分を取り戻すきっかけになりました。日記を書いていなかったら、現状への違和感や、自分がやりたかったことに気づけなかったかもしれません。
読者の方にも「10年日記」はぜひお勧めしたいです。前年の同じ日の記録を読み返すと、1年分、前に進んだ自分を実感できますよね。私、変われているな、と。それだけでも書く価値があります。その時はぜひ、出来事だけでなく感情を書いておくといいですよ。
よく真面目だねと言われるんですが、私が言われている真面目って、たぶん、一所懸命だねというニュアンスだと思います。365日何かしら一所懸命というか、真剣に悩んでいたり、考えていたりして、人生に向き合っているので(笑)。“ほどほど”が苦手だから、ぬるま湯につかっているような状態は、逆に不安なんです。
「ブルゾンちえみ」として3年で、お茶の間にもやっと馴染んできたのに何でやめるの、もったいないと言われます。だけど、私はその馴染んでいく状態が苦手だし、望んでもいない。やりたいと思っていたことは全部できましたから、今は3年間、やり尽くしたという気持ちです。ものすごい密度で夢が叶っていったので、今は感謝しかありません。