単独ライブが終わった後、自分へのご褒美に宮崎の高千穂へ一人旅をしました。パワースポットですし、自分を癒やしに行こうって。ところがいざ行ってみると、自分の気持ちとじっくり向き合う旅になってしまい……。そこで、ああ、今が決断の時かもしれない、と。

藤原しおりさん直筆の座右の銘「すがすがしく」

宮崎からの帰り道、岡山の実家に寄って、今の自分の正直な思いを両親に伝えました。「私、今の活動をやめるかもしれない」と言うと、父は「え、そうなん?」ってちょっと残念そうにしていましたけど、母はテレビに出ている私を見て何か感じるところがあったみたいで、「いいと思うよ」と言ってくれました。

遡って考えてみると、以前にもこんなふうに悩んだことが1度あったのです。大学3年生の夏、21歳の時でした。父が教員だったこともあり、教員免許を取っておけば仕事に困らないという考えで、私は島根大学教育学部に入学し、大学生活をそれなりにエンジョイしていました。

周りの学生たちは「子供の頃から先生になるのが夢だった」と目をキラキラさせて、メチャメチャ熱く語るんですね。でも、私にはそんなふうに頑張りたいと思える目標がなかった。自分は何をやったら夢中になれるんだろうと突き詰めて考えた結果、ちょっとうつっぽくなってしまったんです。で、食べることでストレスを発散していたら体重が一気に30キロぐらい増えて……。その時期は本当につらかった。結局、大学は中退することになりました。

昨年の3月に単独ライブを終えた後も、1ヵ月で5キロぐらい太ってしまって。これはあの時の二の舞になる、早目に対処しなければと、マネージャーさんには高千穂にいる時点で「帰ったら相談したいことがあります」と連絡しました。

ありがたいことに事務所には引き留めていただきましたが、丁寧に話し合いを重ねて、退所する準備を進めていきました。今行動しなければ自分が壊れてしまう。だから、誰に何と言われようとやめるという決断しかありませんでしたね。私って本当にわかりやすくて、心と体がメチャクチャがつながっているんですよ。ストレスがなくなったせいか、自然に7キロやせました。(笑)

読者のみなさんは、ブルゾンちえみと言えば、ブリリアン(with B)の2人を従えた強気のキャリアウーマンネタが思い浮かぶかもしれません。2人には、事務所にやめると伝えた後に打ち明けました。

彼らもこの3月にコンビを解散し、コージ(コージ・トクダさん)は、10年ぶりにアメリカンフットボールに選手として復帰し、社会人チームに入りました。ダイキ(杉浦大毅さん)は俳優志望で、ワークショップに通ったりして地道にやっています。すごく難しいことだし、勇気のいることだと思うけど、2人が頑張ることで背中を押される人もたくさんいると思う。実際、私もますます頑張らなきゃって。いい感じでお互いに高め合っていきたいですね。