未来のカルテ
遺伝性がんは、がんの基礎研究において、がんを引き起こす遺伝子の解明に重要な役割を果たしてきたが、さらに臨床医学の面でも、これまで臨床医が経験したことがない「未来のカルテ」と表現される新たな3つの考え方を生み出した。
まず、患者の診断結果をもとに血縁者の中に新たな患者を見つけ出す「がんの血縁者診断」という技術が生まれた。
次に、遺伝子変化が見つかった血縁者の中には、その時点でがんを発症していない人が存在するので、がんの「発症前診断」が可能となった。
さらに、遺伝子変化が見つかった大多数の血縁者は、一生のうちにがんを発症する可能性がきわめて高い。そこで、発症前に、がんが発生する臓器を切除する「予防的外科手術」が一部の病態で実施されるようになった。