40代から60代にかけて直面することになる、親の老いと死。しかし、京都で訪問診療や緩和ケアの医師をする岡山容子先生によると「『面倒をみるのは子どもとして当然』と横暴に言われた」「ずっと疎遠だったのに、介護が必要な状態になって急に連絡が来た」など、関係のよくない親の介護や看取りに悩む方もいらっしゃるそうです。そんな岡山先生も、かつて「毒親」だった母を在宅で看取った経験をもっています。そこで今回は、岡山先生の著書『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』から、一部を抜粋してお届けします。
お別れができない関係でもいい
残された時間が短い場合、「可能であれば、お別れをしてほしい」とお願いするようにしています。
一方でお別れができない関係も、当然ながらあります。
それはそれでしかたがないものです。なぜなら、人は「生きてきたように死んでいく」といわれるからです。
たとえば、意固地に生きてきた人は、意固地に亡くなっていきます。
主張が強い人は、主張が強いまま亡くなっていきます。
わかりあえない関係は、わかりあえない関係のまま、そのまま亡くなっていくものです。
生きてきたように人は死んでいくのです。
その人の生き方のまま、癖のある生き方のまま、最後まで変わらなくてもいいと思っています。