「私は幸先の良い女優人生をスタートできたのだなと、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました」(撮影:宮崎貢司)
3年ほど前に夫を見送り、現在ひとり暮らしをしている女優の中原ひとみさんは、自立した生活を心がけているそう。年齢を感じさせない若々しさを保つ秘訣とは――(構成:丸山あかね 撮影:宮崎貢司)

優しかった夫に恩返しをしたかった

私、もうすぐ90歳になるみたい。自分の年齢ってあんまり気にしていないから、人から言われてビックリしました。(笑)

2025年の春に、丸の内TOEIの閉館に際して開催された「昭和100年映画祭」で、1957年公開の『純愛物語』が上映されることに。ヒロインを演じた私は、上映前に行われた舞台挨拶でスピーチさせていただきました。

東映ニューフェイスに合格して、デビュー間もない21歳の頃に出演した作品です。それがベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。私は幸先の良い女優人生をスタートできたのだなと、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

私生活でも、この作品で共演したことがひとつの縁になり、夫(俳優の江原真二郎さん)と結婚したのです。同い年ですが、ちょっとだけ姉さん女房なので「しっかりしなきゃ」という気持ちが強かったですね。

夫はもっと活躍してもいい役者だと思っていたので、叱咤激励していました。でも彼は、私の幸せを優先してくれて「いいんだよ、僕はこれで」なんて言っていましたね。

本当に穏やかな人で、夫婦喧嘩は一度もしたことがありませんでした。