きれいごとではなく
2008年に脚本家デビューし、連続テレビ小説初挑戦。「りんと直美、2人分の人生があるので、15分の枠に収めるのに苦労しています。2人のエピソードのバランスも難しいけれど、ぶ厚いストーリーが描けるのはバディドラマならでは」と打ち明ける。
描きたいのはリアルな女性像だ。脚本家になる前から、ドラマで流れる女性同士の会話に違和感があった。
「綺麗すぎると感じていて。仲が良いほど女性同士は辛らつ。今とは時代が違うので、言葉選びが難しいのですが、女性同士のリアルな会話を描けたら、『自分と友達の話みたい』と視聴者に親近感を持ってもらえると期待しています」
劇中でりんと直美は、悩み、時には間違えながらも前に進んでいく。りんが、自分の行動についてたびたび、「間違えた」と悔いる場面が印象的だ。
「間違える主人公にしました。バディものだと、どちらかが突っ込んだり、訂正したりできる。清く正しくないけれど、生身の女性を描くことができると思っています」
りんを演じる見上愛は、キャスティングで選出。大河ドラマ『光る君へ』では藤原彰子役を演じ、豊かな感情表現が注目された。「見上さんは生身の人だと感じさせてくれる演技をします。コミカルなお芝居をしてもリアルさがある。表情も豊かなので、セリフに頼らず、見上さんを信じて脚本を書いていけます」
直美を演じる上坂樹里はオーディションで選ばれた。「上坂さんは佇まいが美しくて、周囲の空気が綺麗。直美は苦しい境遇の孤児で、きつい言葉や世を呪うようなセリフを言いますが、直美の根っこの部分は腐っていないと思わせてくれるのは上坂さんだからこそ」