「アニメの気に入った女性キャラクターを“嫁”と呼び、シリーズごとにお嫁さんを変えているのですが、今季はまだ決めかねていて……って、ちょっと引かないでください(笑)」

たまに、「ハングリー精神がない」と言われることがあります。僕が“二世”ということで言われやすいのでしょう。そのことに反発を感じたこともありますが、最近は「それはそれでいいや」と思っています。この道を進んでいきたい──、自分の確固たる思いがあれば、あとは前を向き歩いていくだけです。

さて、僕は大のアニメファンです。詞を作っていて煮詰まったとき、あるいはオフの日、僕にとって気分転換、いや、気持ちを高揚させてくれるのがアニメを見ることなのです。

アニメの気に入った女性キャラクターを“嫁”と呼び、シリーズごとにお嫁さんを変えているのですが、今季はまだ決めかねていて……って、ちょっと引かないでください。(笑)

そのアニメに音楽で関わりたい、というのも昔から願っていたこと。それが昨年、テレビアニメ『邪神ちゃんドロップキック』のエンディングテーマを作詞し、歌うことで実現しました。今後も、アニメソングをたくさん歌えたら嬉しいですね。

 

どんなものでも歌いこなせる歌手でありたい

今回発表したアルバムには、1975~76年に放映されたテレビドラマ『赤い疑惑』のテーマ曲「ありがとうあなた」のカバーが収録されています。アルバムの発売を機に、中国の人たちにもこの歌を聴いてもらいたいと、中国語でもカバーしました。イントネーションやアクセントなど、中国語は難しかったけれど、新鮮な体験でした。

そのミュージックビデオ(MV)を上海で撮ったのですが、ビル群やネオンなど華やかな街の雰囲気に圧倒され、テンションが上がりました。そして、「いつか中国でもライブをしたい」と、また新たな目標を心に刻んだのです。

MVでは、オリジナル曲である「RAINY SLUMBER」も制作しました。撮影監督は藤代雄一朗。音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のMVをはじめ、最近ではNHKのテレビドラマ『だから私は推しました』の編集も担当した、今売れっ子の映像ディレクターなのですが、彼が実は小学校時代の“チャゲ”なのでした。音楽室で盛り上がった二人が、時を経て、それぞれ音楽と映像の世界に進み、今こうして一緒に仕事ができる。いい縁だなと思いました。