早期発見できれば削らずに済むケースも

少し怖い話になりましたので、ここからは安心できる解決策をお伝えします。それは「大人むし歯は、早期から対応すれば削らずに管理できる」という新常識です。

(写真提供:Photo AC)

 

「歯医者=削る・痛い」のイメージはすでに過去のものです。今は予防歯科が主流となっています。

大人むし歯で注目されているのが、むし歯を削らずに止める魔法のような薬「サホライド」。これには、歯の再石灰化を促進し強力な殺菌作用でむし歯菌を攻撃しながら、むし歯の進行を食い止める作用があるのです。

大人むし歯には「進行型」と「非進行型」があります。文字通り、むし歯の進行が早いのは前者です。しかし、このサホライドは、進行が早い「進行型」にこそ、その効果を発揮し、むし歯の進行を食い止めます。

むし歯の進行が深さ1mm程度であれば、定期的ケアで対応可能です。しかし、2mm程度まで進行すると、歯を削っての治療になります。だから、早期からの対応が何よりも大切なのです。

また大人むし歯の予防には「フッ化物」がオススメ。これまで「フッ化物」は、子どもむし歯対策として、歯の質を強化するために、使用されてきました。しかし最近の研究では、根っこの部分の強化の方が、歯の頭の部分より約1.5倍効果を発揮することがわかりました。

このため、最近では、大人むし歯の予防としてフッ化物が頻用されています。市販の「高濃度フッ化物配合歯磨き粉(1450ppm)」を使用するだけでも、怖い大人むし歯のリスクを下げられます。

これからの高齢者は、歯周病対策だけでなく、大人むし歯対策も含めて「二刀流」のお口ケアを行ってください。

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