「7割強」はどのくらい?

NHK放送文化研究所の調査(2014年)によると、「『7割強』については、全体としては『74%以下』というとらえ方が比較的多いが、60歳以上の年層では『71%以下』と考える人が主流」とあり、年齢が上がるとともに「強」の範囲が狭まる傾向があるようなのです。

逆に若年層では、7割強は「79%以下」と範囲を広げて捉える人も少なくないそうです。

その記者は60歳前後の方でしたので、この調査結果が当てはまるとすると、2割2分は2割強を超えてしまっていると感じたのかもしれません。

ところで、さらに調べていって驚いたのは、「弱」の意味について尋ねた同研究所の別の調査(2016年)では、「7割弱」というのは7割を少し下回るのではなく、「7割と、ちょっと」の意味で7割を少し超えると考える人が10代で30%以上、20代で20%以上もいるという結果です。10年近く前の調査でこの結果ですから、現在ではさらに割合が増えているかもしれません。

新聞記事で読者に正しく伝わっていると思っていても、明確ではない表現は世代によって誤解を生じさせているかもしれず、いずれ工夫が必要になる時期がくるかもと、新たな発見と同時に課題を感じた一件でした。

※本稿は、『いじわるな日本語 ~校閲の現場から~』(産経新聞出版)の一部を再編集したものです。

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