「実家の断捨離」をどう切り出す?――未来から不安を連れてこなくていい

今現在、「実家の断捨離」に直面しておらず、自分の生活に手一杯で親のこと、実家のことまで考えられないという人もいるでしょう。親は元気でそれなりにやっているし、距離的にも簡単に行き来できない。そんな状況に安堵しつつ、今後のことを考えるのを避けているという人もいるかもしれません。

「元気な親に向かって、『亡くなった後、実家をどうするの?』とは聞きづらいです」

「話し合っておいたほうがいいとは思いますが、どう切り出せばいいのかわかりません」

という声もよく聞きます。

やましたひでこ
やましたひでこさん(写真提供:大和書房)

親の年齢、子の年齢、親の事情、子の事情によって「実家の断捨離」はまったく違うものになります。お互いの感情や関係性もおおいに関わってきます。

「実家が散らかっている→モノがたくさんある→断捨離」という簡単な話ではないのです。他人になら言えても親だからこそ言えない、ということもあるでしょう。

もしあなたが今、親と同居しているのでないならば、私が言えることは「放っておきましょう」ということ。

同居しているのなら、あれこれ口出ししたくなるのはわかりますが、そうでないのなら、口出しはぐっとこらえましょう。アドラー心理学でいうところの「課題の分離」。その家が散らかっていようとモノで溢れかえっていようと、それはあなたの問題でなく親の問題だと境界線を引くことが大事です。

親が親なりに自立しようとし、子どもに面倒をかけるのは最後の手段だと思っているところへ子どもが介入していくのはある意味、一番罪作り。

「心配だから」という建前で、断捨離を強要したり、同居を打診したりするのも問題です。まだ元気な親世代が子に押し切られるようにして同居を始めたところ、慣れない土地で気力・体力ともに萎えていった例もあります。

「もし今は問題なくても、いざ親に何かがあったとき、遅いのではないでしょうか。準備しておかなくていいのですか」

と心配される方もいます。そんなとき私は、「遅くはないですね」とお答えします。