(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和5年(2023)患者調査」によると、在宅医療を受けた推計外来患者数は年々増加傾向にあるそうです。そんな中で、2000人以上を看取った在宅緩和ケア医・萬田緑平先生は、「涙を乗り越えた患者さんは幸せな死を受け入れる強さを持てる」と語ります。そこで今回は萬田先生の著書『死ぬまで生きる: 穏やかな死に医療はいらない』(河出書房新社)より一部を抜粋し、お届けします。

歩けなくなると身体はどうなるか

歩けなくなることは、皆さんが想像する以上につらいことです。

歩けないという見えることだけではなく、身体につらい連鎖反応が起こってきて、食べる・排泄・睡眠という日常生活を苦しくさせます。

筋力が落ちるから歩けなくなる。すると歩かないから筋力はさらに落ちて、体力も落ちていく。

体幹の筋力、腹筋も落ちる。腹圧も弱くなるし、呼吸筋も弱くなり肺活量も落ちていきます。そして、ほぼ寝たきりになります。