呼吸筋も弱る
歩けば身体は酸素を必要とします。呼吸をして肺を膨らませ、酸素を取り込むのですが、このとき使う筋肉が呼吸筋です。肺が勝手に膨らんでくれるわけではありません。呼吸筋が弱まると呼吸が弱くなり、咳も痰も出しにくくなります。誤飲してしまったらむせることもできなくなります。
咳ができなくなり飲み込むこともできなくなるのは、亡くなる前の状態で、歩けなくなる人が必ず通る道です。
ちなみに呼吸筋の強さを表すのが肺活量で、普通の生活をしている人は2〜3リットル、アスリートだと4〜6リットルくらいはあるでしょう。寝たきりの人は300〜500ミリリットル程度。肺活量の大きさは肺の大きさではありません。呼吸する筋力の強さを表わしているのです。
手術で肺が人の3分の1しかなくなっても3倍の呼吸筋があれば、酸素を取り入れるのには問題はありません。
※本稿は、『死ぬまで生きる: 穏やかな死に医療はいらない』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
『死ぬまで生きる: 穏やかな死に医療はいらない』(著:萬田緑平/河出書房新社)
自身の最期をどう迎えるのか、それをどう選択するのか――。
2000人以上を看取った在宅緩和ケア医であり、ベストセラー著者。
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