100歳を超えて列車で日帰り旅行をした、西村さんと母。「これが最後の旅になりました」(写真提供:西村さん)

便の失敗も日常茶飯事。家にはアロエの鉢があり、母はこれが何でも治せる万能薬だと信じていました。私が「葉を食べるのはやめてね」と何度頼んでも、隠れてアロエを口にしては軟便や下痢を繰り返す。

しかも歩きながら紙おむつを下げ、床にポタポタ便を落としてトイレに向かうのです。それをスリッパで踏んで塗り広げるので、臭いは家の隅々にまで広がります。

逆に便が出にくい時はトイレの中で自分の指を使ってかき出し、その手で壁などを触るため、母が入った後は必ずトイレ掃除をしなければなりません。

私が「なぜトイレに入ってからおむつを下げないの」と問い詰めると、「あんたが漏らすなというから早めに準備してるんじゃない。一生懸命やっているのに文句言わないで」と怒り出します。

挙句の果てに、カーペットについた便を掃除していたら、「そんな拭き方してカーペットに染みを付けないでちょうだい」と一言。あまりの台詞に、怒りより笑ってしまいました。

母は施設でもどこでも「優しくてシッカリした、素敵なおばあちゃん」として親しまれていたのです。でも外で気を使う反動か、家では自己中心的で、家族の言うことには耳を貸しません。とても頭のいい人だったので、自分で排泄処理ができなくなった事実を受け入れるのがつらかったのだと思います。