これって貧血?

2017年の秋、その日は光の15歳の誕生日だった。学校に向かうバスの中で気分が悪くなった。たまらず、バス停を一個手前で降りる。フラフラしてうまく歩けない。心臓がバクバクいっている。これって貧血? 目の前に某私立大学があった。光は大学の構内に入り、守衛に助けを求めた。

「君、大丈夫か!? 顔色が真っ青だぞ」

(写真提供:Photo AC)

「……歩けません。息が、息が苦しいです」

「取り敢えず、助けてもらおう」

守衛は光を連れて大学の校舎の中に入り、職員に声をかけた。光は大学の保健室のベッドに寝かされた。しばらく休むと光の顔色は元に戻り始めた。大学から、光の中学校に電話連絡が行き、光はどうにか歩いて中学校の保健室に移った。

中学校からは、妻に電話がかかってきた。妻は取る物も取り敢えず、学校へ急いだ。1時間後、妻が保健室に到着したときは、光はいつもの光に戻っていた。「怖かったよ」と光は妻を見て泣いた。

その日の夜、私は朝に起きた一件を聞いた。

「大丈夫か、光」

「今は大丈夫」

私は眼瞼結膜を見て、脈を取り、血圧を測った。どこにも異常はなかった。おそらく貧血を起こしたのだろう。でも、話を聞くと、貧血にしては症状が重いような気もした。