BCAA(分岐鎖アミノ酸)は筋肉量増加に効果がある

アミノ酸は全部で20種類あるが、そのうちバリン、ロイシン、イソロイシンを含む9種類のアミノ酸は体内で合成することはできないので、栄養として摂取する必要がある「必須アミノ酸」と呼ばれている。中でもバリン、ロイシン、イソロイシンは筋肉を作る際に重要な原料と考えられており、この3つのアミノ酸を含むサプリメントは数多く販売されている。この3つはBCAA(分岐鎖アミノ酸)と総称されるグループに属する。

実際、ロイシンとイソロイシンは、筋肉へのエネルギー源としてのグルコース(糖)の取り込みを増加させ、筋肉細胞におけるグリコーゲン産生を高める(図)ので、筋肉量増加や運動による筋肉損傷の修復に役立つだろう。

<『東大名誉教授が教える 死なない生き方 科学でひもとくアンチエイジングと健康寿命』より>

興味深いことは、造血幹細胞や白血病細胞もバリンを抜くと増殖が著しく抑制されることだ。また、マウスでバリン欠乏食を与えると、欠乏感が強いらしく、仲間のマウスや自らの身体の一部を食べることが観察される。

ロイシン、イソロイシンを含む他のアミノ酸の欠乏では、このように激しい症状は出ないので、バリン欠乏の生命体への影響がこれほど大きい理由にも興味が持たれる。