トイレも人間の真似を…
ある日、玄関からシャーッシャーッという水の音がして、母と兄と私は見に行った。チロが、兄が愛用していた硬い革のショートブーツに坐り、排尿をしていた。その姿は、洋式便器に坐る人間のようだった。兄は「しょうがない。最後までやらせよう」と言い見ていた。チロが去ると、兄はショートブーツを洗い、陰干しをしていた。
母は父に、「洋式トイレに、チロを連れて入らないでよ」と説教をした。
父は読書が好きで、落としモノ(大便)に時間のかかる人で、和式トイレの便器の前に棚を作り、そこに本を置いて読んでいた。洋式トイレが家庭に普及されると、坐って本を読みたくて、すぐに洋式トイレにした。父は猫が大好きなので、チロをトイレに入れて、読書する自分の回りをウロウロさせていたのである。
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