文明開化を表現した東京
序盤は、りんが育った那須地域と、直美が育った東京を舞台に物語が展開した。川名さんは「栃木と東京で雰囲気を変えました。明治初期には江戸時代の生活を続けている人もいたので、那須での風景は服装も暮らしも江戸時代のままが多く、一方で、東京の町には人力車が走り、電信柱とガス灯も設けました。新しいものが流入し、街全体が活気づいている空気感を描いています」と語る。那須と東京それぞれのイメージマップを作り、チームで共有した。
(『風、薫る』/(c)NHK)
那須は緑が鮮やかで柔らかな光が自然の美しさを強調。一方で、東京は色数を増やし、やや明るめのトーンに。ターコイズブルーや日の丸の赤が印象的な配色だ。
監督からは「完全にリアルな色合いにするのではなく、現実から1センチ浮いたようなイメージにしてほしい」というリクエストがあった。
参考にしたのが当時の手彩色写真。モノクロ写真に職人が着色したものだ。「手彩色写真は実際の色とは異なりますが、当時の人々が感じていた色彩を反映していると考えたんです」と川名さん。